ロシアW杯出場組と「4-4-2システム」 森保J初陣に見るポジション争いの構図は?
トップ下なき4-4-2で香川のポジションは?
ボランチは長年キャプテンを務めた長谷部が代表引退。ロシアW杯で目覚ましい活躍を見せたMF柴崎岳(ヘタフェ)が中心になっていくと思われる。その相棒役を、負傷で9月シリーズを辞退したMF山口蛍(セレッソ大阪)とMF大島僚太(川崎フロンターレ)、コスタリカ戦で先発フル出場するとともに1アシストを記録したDF遠藤航(シント=トロイデン)が争っていく構図か。
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4-4-2を採用するうえで直面する問題は、MF香川真司(ドルトムント)をどこに配置するかだ。2014年ブラジルW杯では4-2-3-1の左サイドハーフでプレーしているが、抜群のテクニックを生かしたゲームメイク力は本職のトップ下でこそ威力を発揮する。ロシアW杯で攻撃の軸を担ったMF乾貴士(ベティス)、攻守のハードワークを身上とするMF原口元気(ハノーファー)、ドリブルで局面を打開できるMF宇佐美貴史(デュッセルドルフ)がいるなかでは、最も4-4-2採用の“余波”を受ける選手かもしれない。
2トップはFW大迫勇也(ブレーメン)、FW武藤嘉紀(ニューカッスル)、FW岡崎慎司(レスター)の3人だ。足首の負傷でロシアW杯では不完全燃焼に終わった32歳の岡崎は、「諦めない姿勢を見せ続けたい」とカタール大会への思いを口にしているが、4年後は36歳。コスタリカ戦で2トップの一角として出場し、「(サイドハーフよりも)真ん中でやっていた時のほうが良かった」と手応えを語ったMF南野拓実(ザルツブルク)や、FW浅野拓磨(ハノーファー)にも十分チャンスはあるだろう。
森保監督は今回のメンバーを発表する際、「招集した選手をコアなチームだとは思っていない」と来年1月に始まるアジアカップに向けて新戦力を発掘すべく、若い選手、新しい選手を試していくことを明言している。南野も「ロシアW杯組にどう割って入っていくか、もちろん考えています。攻撃の起点になる部分で今日の出来にはまだまだ満足していない。まずはアジアカップまでのサバイバルに勝ち残っていきたいと思います」と意気込みを語っており、10月以降にポジション争いはさらに熱を帯びていくことになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)