英国人記者が注目する森保Jの“ポスト長谷部”問題 「青山には監督の情熱を感じるが…」
コスタリカ戦の結果を受け、長谷部の後継者探しの難しさを指摘
森保一監督率いる日本代表は、11日の国際親善試合コスタリカ戦で3-0と完勝し、新体制の初陣を白星で飾った。ロシア・ワールドカップ(W杯)で16強に入ったチームの主力となった海外組は招集されず、フレッシュな顔ぶれで2022年カタールW杯へ向かう第一歩を踏みしめた森保ジャパン。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、W杯を6大会連続で取材した英国人記者マイケル・チャーチ氏はどのように見たのか。2010年からキャプテンを務め、7月に代表引退を発表したフランクフルトMF長谷部誠の後継者探しの難しさについて指摘している。
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新たな時代の幕開けで、人はしばしば初戦から多くのものを読み取ろうとしすぎてしまう。しかし、森保監督は間違いなく“サムライブルー”の指揮官として過ごした最初の1週間の仕事ぶりに、大いなる手応えと喜びを感じただろう。
パナソニックスタジアム吹田で、日本はコスタリカ相手に余裕の勝利を収めたが、この日の夜の試合では確信につながる多くの兆候を見出すことができたのではないか。新生日本代表に自らのカラーを打ち出すことを求めた新監督は、メンバー選考においても重大な変更を行った。
個人的に注目したのは、キャプテンマークの行方だ。それはサンフレッチェ広島時代の愛弟子でもあるMF青山敏弘に託された。監督の意思を明確に伝え、実践できる教え子を監督がキャプテンに選ぶケースは珍しいことではない。青山という人選は、急造チームの中核に自らの哲学を直接植えつけたいという、指揮官の情熱を感じた。
だが、信頼を込めて初陣のピッチに送り出した青山だが、そのパフォーマンスには不満が残った。この試合でのプレーに関しては、森保監督も彼が長期間レギュラーを保証される立場にはないと認めるのではないだろうか。ポジショニングでの不注意さ、プレーの部分で不安定な部分が散見されたからだ。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。