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韓国で“代表ブーム”再燃 ソン・フンミンは「1年で85試合プレー」と“酷使”指摘も…
アジア大会制覇を受けて人気沸騰 コスタリカ、チリの2連戦はチケット完売
韓国代表は11日、水原ワールドカップ競技場で行われた国際親善試合で南米の強豪チリ代表と対戦し、0-0のスコアレスドローで終わった。4日前にはパウロ・ベント新監督の初陣として、高陽総合運動場でコスタリカ代表と対戦し2-0で快勝。この国内2連戦のチケットはともに完売するなど、今、韓国では“代表ブーム”が沸き起こっている。
理由は8月中旬からジャカルタで開催されたアジア大会で、金メダルを獲得したことが大きい。特にFWソン・フンミン(トットナム)やFWイ・スンウ(ヴェローナ)ら若手選手の活躍が脚光を浴び、女性ファンを中心に多くの国民が関心を寄せ始めた。チリ戦が行われた水原ワールドカップ競技場は4万3000人を収容するが、試合当日の早朝から列をなすほどの人気ぶりで、スタジアム周辺にダフ屋が現れたのも久しぶりのことだったという。
国民の期待が膨らむなか、コスタリカ戦に続く2連勝といきたいところだったが、FIFAランキング12位のチリはそう簡単に勝てる相手ではなかった。今夏バルセロナへ移籍したMFアルトゥーロ・ビダルを中心とした主力級の選手が出場し、韓国はソン・フンミンがこの日もスタメンで起用された。
ただ、勝利こそ逃したものの、0-0という結果に韓国メディアは一定の評価を下している。
スポーツ紙「スポーツ東亜」は、「チリ戦で0-0の“ベント号”、9月のAマッチシリーズは半分の成功」と見出しを打ち、「チリとは相当の実力差があった。シュートチャンスを一つ作り出すだけでも相当難しかった。実際に、前半は2本のシュートしか打てなかった。全体的な雰囲気をつかんだのは、我々の小さな隙を見逃さなかったチリだった」と、実力差がありながらも90分間を無失点に抑えて引き分けに持ち込んだことを評価していた。
特にソン・フンミンを「酷使しすぎではないか」と韓国メディアが騒いでいたが、当の本人は疲れを微塵も見せずにピッチを駆け回り、そうした論調を一蹴。サッカー専門サイト「インターフットボール」は、「チリ戦で先発出場したソン・フンミンは、フルタイムでピッチを走り回った。“ワールドクラス”のスタミナを証明してみせた」と伝え、頼れるエースと代表の新たなキャプテンを称賛した。
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。