孤軍奮闘も孤立した興梠 「みんな守備で疲れてしまった」

次は得点に

 一方で、鹿島時代に多くのタイトルを獲得し、マルキーニョス(現神戸)などのブラジル人選手たちと前線でコンビを 組んできた興梠は、こんな言葉も残した。
「みんな守備で疲れてしまった。もう少し、いい意味でサボるというか、守備で力を抜くような場面があっても良かったのかもしれない。倉田も初スタメンで、一生懸命に最後まで引いていたので、攻撃に力が残っていなかったのかも」
 チーム戦術に忠実にプレーし、ハードワークができるのは日本人選手の長所だ。一方で、それが攻撃時に体力が残らないことの遠因になることはある。その瞬間の状況を見渡して、今は全力で守備をしなければいけないのか、ある程度は後ろの選手たちに任せて体力を温存していいのか。ピッチ上でそれを判断することは、チームを助けるゴールを生むことにつながる。それもまた、賢いプレーの一つだ。前線でコンビを組ん だブラジル人選手たちを見てきたからこその、興梠の言葉とも言えそうだ。
「今日は自分のプレーができなかった。シュートも打てていないし。それでも負けなかったことは良かった。次にまたチャンスをもらったら、得点に絡みたい」
 10番を背負って臨んだ今大会。ノーゴールで終わるわけにはいかない。9日の中国戦では、興梠のゴールでチームを勝利に導く姿を見せてほしい。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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