ハリルジャパンの心臓部を任せられたMF柴崎岳(鹿島)の表情には、厳しさしかなかった。5日の東アジアカップ第2戦となった日韓戦は、1-1のドロー。柴崎は「勝利を目指してしっかり戦ったんですが、結果がついてこずに残念です」と、無念さを押し殺すように語った。 今大会は、コンディションに不安を抱えながらの代表選出だった。バヒド・ハリルホジッチ監督もメンバー発表会見時に「(7月)29日の(大会前)最後のリーグのゲームの後に状況を判断しなければいけない」と語り、万全ではないことを示唆していた。それでも、中国の地に降り立ち、2013年に続く大会連覇を 目指すチームの一員として戦うことを決断した。 この日は、代表初出場の藤田直之(鳥栖)がアンカーに入り、柴崎は山口蛍(C大阪)と横並びのインサイドハーフを組んだ。「相手がボールを持つ時間が長かったが、数少ないタッチ数の中で、しっかりとボールを収めてチャンスにつなげることは意識してやろうと思った」と、劣勢になったゲーム展開の中でもワンチャンスを狙い続けた。韓国のポゼッションが続く中でも、ボール際で戦って体を張った。しかし、それは勝ち点3に結びつかなかった。 柴崎は「カウンターの精度を高めないといけない。もっと人が湧いて出てくるような運動量も必要だと思う」と、後半に勝ち越しゴールを奪えなかった要因を語った。連覇への可能性を残すためには 勝ち点3が絶対条件だったが、この日の引き分けで大会連覇の可能性は消滅した。 「勝てていないので、一勝して日本に帰りたい」 大会最終戦となる9日の中国戦では、日本代表としての意地を見せなければいけない。東アジアのライバルを相手に未勝利では終われない。海外組を含めたチーム構成でも中盤に君臨する柴崎が、日本代表としてのプライドに懸けて勝利を誓った。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images