ザックJAPANに問われる真価 ベンチのポジティブリーダー青山敏弘という存在
結束を生む苦労人・青山の存在
青山は苦労人だ。11年8月に日本代表候補として初招集されたが、国際Aマッチデビューは昨年7月21日の東アジア選手権中国戦だった。07年の北京五輪のアジア予選では大活躍したが、最終メンバーの18人からは落選した。
挫折を味わってきた青山の言葉は苦難を味わった経験が少なく、メンタルコントロールの難しい若手の心に染み渡る。
「サッカーは勝つか負けるかなんで。負けたことに悔しさが出たし、それが次のモチベーションにならないといけない。絶対、次のモチベーションにできると感じている。いかに主導権を握ってやれるか。自分たちの良さを出さないといけない。そこは腹をくくってやらないといけない。4年間やってきたことを出して、次、勝ちます。自信あります」
青山はチームの勝利を確信している。
ピッチで自らを表現できるのは先発11人と交代枠の3選手、1試合でどんなに多くても出場できるのはこの14人のみだ。だが、W杯という舞台では23人の総合力、そして、結束が問われる。
10年の南アフリカ大会では大会前の故障でコンディションを落としたエース中村俊輔(横浜M)がスタメンの座を外れたが、選手の給水係などを自ら務めることで、必死に雰囲気を盛り上げた。ベンチの尊い自己犠牲精神こそが前回大会の16強という成果につながった。ベンチにネガティブファクターが生まれたドイツ大会は1次リーグ敗退に終わっている。
今の日本代表も青山を中心にベンチで高い結束が存在する。初戦惜敗という逆境をはねのける準備がザックジャパンには存在する。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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