ハリルジャパン韓国に1-1ドロー 東アジア杯連覇ならず
守備は耐えるもゴール奪えず
ハリル監督はハーフタイムでの選手交代は行わず、引き続き同じ11人をピッチに送り出した。
後半はお互い攻めあぐねる時間が続いた。後半最初の絶好機を作ったのは韓国。16分、左サイドからのクロスに196センチの長身FWキム・シンウクがゴール前に飛び込むも、ここは手前で森重がカットし、間一髪ピンチを免れている。
足が止まり始めた韓国に対し、日本がボールを保持して攻撃にかかる時間帯ができ始めた。しかし、パスと味方の動きの意図が合わず、韓国守備陣を有効に崩すプレーは生まれなかった。
互いに停滞する展開の中、同19分には先に韓国が2選手を代えて、打開を図った。この時間帯からペースは再び韓国。同23分、韓国は左サイドからのFKをゴール前に放り込むと、チョン・ウヨン、キム・キヒとつなぎ、フリーになった途中出場のイ・ジェソンがヘディングシュート。これはクロスバーを直撃、セカンドボールも長崎でプレーするイ・ヨンジェの元にこぼれたが、ボレーシュートはゴール上へ外れた。日本は再三にわたるピンチにも失点はせず、1-1のまま耐えていった。
ハリル監督が動いたのは同25分。ミスが目立った右サイドの永井謙佑(名古屋)に代えて、20歳の浅野拓磨(広島)を投入した。同34分には興梠に代えて宇佐美貴史(G大阪)を左のアタッカーとしてピッチへ。浅野を中央にシフトし、倉田を右サイドへ変更した。
同38分、交代したばかりの浅野がスピードを生かしてペナルティーエリアにドリブルで侵入していったが、シュートのタイミングを逸し、チャンスを生かせない。このプレーを契機にややオープンな展開になり両チームによる速攻の応酬になったが、互いにラストパスの精度を欠いた。
ハリル監督最後のカードは川又堅碁(名古屋)。同42分に倉田に代えて中央へ送り込み、浅野が再び右サイドへ開いた。同44分には宇佐美が得意の左サイドからシュートを放ったが、韓国DFの壁に阻まれた。アディッショナルタイムには韓国MFクォン・チャングンの左足で放った強烈な無回転FKが日本ゴールを襲ったが、GK西川が弾きだした。
連覇のために勝ち点3が絶対条件だった日本だが、試合はこのまま1-1でタイムアップ。勝ち点1にとどまり、東アジアカップ連覇の可能性がなくなった。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images