悔しさ残る代表デビュー戦 柴田は「局面を打開したかった」と後悔

なでしこ戦術にマッチする才能

 この日が代表デビューとなった福岡県出身の柴田だが、小学生時代に見せた傑出したプレーで女子サッカーの名門である鹿児島の神村学園からスカウトを受け、中学から高校までを過ごした。2011年に浦和に加入すると、1年目から出場機会を掴んだ。翌12年の日本で開催されたU-20女子W杯では「ヤングなでしこ」の中心メンバーとして3位入賞にも大きく貢献。大会優秀選手の1人に選ばれ、シルバーボール賞を受賞した。また、同年のアジア年間最優秀ユース選手賞も受賞した。その後も 、浦和で中心選手としての活躍を続けていた。それだけに、A代表選出が15年まで掛かったのが意外なくらいの選手だ。
 それだけに、この日に迎えた絶好のチャンスを結果につなげたかった。本人は「味方がランニングするコースが見えたので、シンプルに1タッチでさばくようなプレーが多くなってしまった」と振り返ったが、それは周囲と協調したプレーを見せる柴田の特性でもある。連動性がチームの軸の1つであるなでしこジャパンにおいては、重要な要素を持ち合わせる選手であるのは間違いない。
 「もう少し、ドリブルで局面を打開するシーンを増やしても良かった」と、悔やんだ柴田。次のチャンスでは、持ち味の細かいタッチでのドリブル突破も見せてほしい。周りを生かしつつ、自分も 生きるプレーを代表でも見せられれば、貴重な戦力の1人になれるはずだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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