シチリアの火山、即断即決のパレルモの名物会長 13年で30人の監督交代劇
異例の長期政権
ところが、そんなパレルモに大きな変化が訪れている。現監督のジュゼッペ・イアキーニは、13-14シーズンの第7節に就任して以降、2シーズン弱を終え、今季もま だパレルモのベンチに座ってシーズンが始まる予定だ。これは、ザンパリーニ会長の下では異例とも言える“超長期政権”である。
それもそのはずで、近年は南米から若手選手を買い、ビッグクラブへ売却する方向へとシフトしつつあるからだ。今夏にユベントスへ移籍したパウロ・ディバラは好例だろう。元より、ザンパリーニ会長は選手の“売り上手”としても知られ、ルカ・トーニなどを高額で売却した手腕は高く評価されてもいる。しかし、そうやってシーズンオフに主力選手を次々に売り払った結果、翌シーズン序盤に結果が出ず、監督を解任するという負のスパイラルに自ら巻き込まれている面も少なくない。
果たして、今季序盤はセリエ名物と化したザンパリーニ会長の“即断即決”が 見られるのか。指揮官にとってはたまったものではないが、それもまた一つの大きな注目点である。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images