“敗者復活”の中島が見せた一撃 貴重な先制点もチームは逆転負け

最終戦に必要な経験

 そして、経験に裏打ちされた力も示した。この日のスタメンではINACの同僚DF田中明日菜の35試合目に次ぐ22試合目の代表戦となった中島は左サイドハーフで先発したが、後半27分にFW菅澤優衣香(千葉)が投入されるとポ ジションを左サイドバックにシフト。左右両サイドで攻撃にも守備にもプレーできるマルチロールとして佐々木監督の戦術に幅を与える存在であることをあらためてアピールした。
 しかしながら、最後はワールドカップメンバー10人をスタメン起用した韓国の勝負どころを見極める力に屈した。決勝点は、後半のアディショナルタイムに入ってから自陣ゴール前で与えてしまったフリーキックを直接蹴りこまれたもの。中島は「最後のああいったところでのファウルや、球際は課題」と、1プレーが勝負を分ける国際大会の厳しさを表情と、言葉に表していた。
 2連敗で迎える8日の大会最終戦となる中国戦へ向け、「後一試合あるので、このメンバーで勝てるようにしたい。チーム全員で勝ちに終われ るように頑張ります」と気丈に前を向いた。連敗によって湿りがちなムードを、短期間で切り替えるには、経験豊かな選手の力が欠かせない。これまでにも苦境を跳ねのけてきた中島が、チームのムードを切り替えてくれることに期待したい。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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