澤、宮間の領域へ なでしこ猶本が直面したアジアの壁
積み重ねた努力
8番を背にピッチを駆け回ったが、悔しさだけが残った。なでしこジャパンのMF猶本光(浦和)が、4日の東アジアカップ第2戦の日韓戦にスタメン出場。中盤で持ち前の運動量を生かしたプレーを見せたが、チームはアジアのライバルである韓国に1-2で敗れた。大会2連敗と、厳しい現実を突き付けられた。
念願の先発出場だった。大会前から「何よりも結果にこだわる」と意気込んでいただけに、敗戦という結果はショッキングなものになった。
青いユニホームでの戦いには、喜びも悲しみも刻まれてきた。2010年のU-17女子W杯で準優勝、12年のU-20女子W杯で3位と、世代別の世界トップレベルでの戦いを経験してきた。一方で、中心選手として期待された13年のU-19女子アジア選手権では4位となり、翌年のU-20女子W杯への出場権を逃した。失意とともに、涙にくれた。
しかし、そこから猶本は見事に立ち直ってきた。14年は浦和の中心選手として君臨し、チームの年間王者に貢献。トップ世代でも国内有数のボランチに成長を遂げた。
その美貌から「美女サッカー選手」として注目を集めてきた。そんな周囲の喧騒をよそに、猶本自身はストイックにサッカーの道を追求してきた。12年に生まれ育った福岡から筑波大への進学を機に浦和へと移籍。チームの先輩でもある安藤梢(フランクフルト)や、熊谷紗希(リヨン)が所属した西嶋尚彦教授の研究室で科学的なトレーニングを学んだ。シーズン オフには、当時浦和に所属していた原口元気(ヘルタ・ベルリン)らとスプリント能力を高める自主トレにも取り組んできた。