リオへの秘密兵器を探せ 新世代なでしこU-19女子日本代表メンバーが発表
狭くなった世界への扉
2年前、東アジアカップなでしこジャパンメンバーのMF猶本光(浦和)や、FW田中美南(日テレ)を擁したメンバーで臨んだ前回大会では、6チームの総当たりで上位3チームまでがU-20女子W杯への出場権を得る戦いの中で苦戦。勝利すれば3位以内が確定する北朝鮮との最終戦をスコアレスドローで終えたが、その後の時間帯に組まれたゲームで中国がミャンマーに8-0で大勝し、得失点差でわずかに1及ばずに世界への扉が閉ざされた。
今回も世界への切符が3枚なのは同じだが、出場チームが8に拡大された。4チームずつの予選リーグでそれぞれ上位2チームが準決勝に進出し、3位決定戦も行う中で争われる。日本は予選リーグで開催国の中国、オーストラリア、ウズベキスタンと同組になった。早くも厳しい戦いが待ち受け、2位以内に入れば反対側のグループから突破してくると予想される北朝鮮と韓国を含めた中で最低1勝しなくてはならない。まさに、狭き門 に挑むことになる。アジアのライバルを相手に世界への切符を懸けて戦う真剣勝負の場という意味では、これ以上なく貴重な経験の場となる大会だ。
チームを率いる高倉麻子監督は「技術的に優れていることのほか、状況判断に優れていること、試合中に思考が止まらない選手かどうか」を選手選考のポイントにしたという。そして、「来年のU-20女子W杯に行くという強い気持ちを全員が持って戦い、優勝を目指したい」と意気込んだ。
世代全体としてU-20女子W杯に出場することで得られる経験値は計り知れない。その意味でも、アジアを突破できるかが決まる今大会の重要度は非常に高い。それと同時に、選手たちにとっては一足飛びに世界最高峰の舞台であるリオ五輪へのチャンスをつかむための オーディションの場でもある。なでしこネクストジェネレーションの躍動にも、大いに注目したい。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images