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王者の不気味な静寂 プレミアリーグ2015-16展望【チェルシー編】
スペシャル・ワンが選んだ道
「優勝するために、今季は以前ほどの勝ち点が必要となることはないだろう。プレミアはもともと難しいリーグだ。だが、これからさらに困難になる。リーグ制覇のために必要な勝ち点は下がることになる」
モウリーニョ監督は、ライバルの積極的な戦力強化により、連覇への道が極めて厳しいものであることを認めている。同時に、中位から下位チームの戦力の底上げで、リーグ全体が拮抗することを予言した。
2日に行われたコミュニティー・シールドではアーセナルに敗戦。宿敵アーセン・ベンゲル監督には通算14度目の対戦にして初めて土をつけられることとなり、最高の滑り出しとはいかなかった。エースのコスタも昨季の負傷離脱でリーグ開幕戦に間に合わない可能性が高いと伝えられている。順風満帆な船出とはいきそうにない。
それでもモウリーニョ監督は強気な姿勢を崩さない。その理由の1つに挙げられるのが、今季獲得したFWラダメル・ファルカオの存在であるようだ。
昨季、期限付き移籍でASモナコからマンUに加入したものの、リーグ戦4ゴールと振るわず、移籍期間満了で退団を余儀なくされた。だが、モウリーニョ監督は「何度も分析を重ね、獲得に踏み切った」としており、「今季の我々にとって重要な存在となる」と断言している。「エル・ティグレ(虎)」の異名を持つコロンビア人ストライカーの復活に、強い自信を示している。
それでも全体として、新戦力の補強による新陳代謝ではなく、現状の戦力による完成度向上を選択した王者チェルシー。ライバルが大型補強によりその座を脅かそうとしている中、モウリーニョ監督は連覇に向け、昨季プレミア制覇を勝ち取ったチームで迎え撃つ準備を整えている。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images