近くて遠い背中 ロジャースが目指す恩師モウリーニョ超え

運命的な2人の関係

 師弟関係にある2人はくしくも、同じ1月26日に生まれた。モウリーニョは1963年、 ロジャースはその10年後の73年に生を受けた。10歳の歳の差がある両者も、今では同じプレミアを舞台にしのぎを削る。モウリーニョ監督がチェルシーに復帰した2013年から今日までロジャース体制のリバプールはチェルシーとリーグとカップで6度の対戦がある。しかしながら、通算2分け4敗。いまだにその高い壁を超えることはできていない。
 昨季は、イングランド復帰2季目にしてリーグとリーグカップの2冠を達成するなど、格の違いを見せつけたモウリーニョ監督。一方、ロジャース監督は無冠が続く中、リバプールでの4季目を迎える。スアレス、ジェラード、スターリングと、チームの主軸が毎年抜ける苦しいチーム事情とはいえ、クラブは十分な補強費を投じ、選手を獲得してきた。それだけに言い 訳は効かない状況にある。
 モウリーニョ監督は今から11年前、FCポルトを率いて欧州一となり、その名を世界中に知らしめた。その翌年、現在のロジャース監督と同じ42歳の時にはチェルシーでプレミアリーグを制している。ロジャース監督が追ってきたその背中は、近くにあるようで、実際には、はるか先を歩んでいる。結果を残さなければ、その背中はかすんでいくばかりだ。昨季の不振で解任もささやかれたが、クラブからは“4度目の正直”のチャンスを与えられた。名将への仲間入りを懸けた、勝負のシーズンが今、幕を開けようとしている。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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