欧州にその手を広げるカーディフの“史上最低”オーナー
サポーターの反感を買った事件
プレミアリーグがいよいよ開幕を迎えようとしている。日本時間の3日には、コミュニティー・シールドが行われ、FAカップ王者のアーセナルが、昨季リーグ王者チェルシーを1-0で破った。今季も、フットボールの母国は週末に熱狂と興奮を与えてくれるだろう。そのイングランドには、「スポーツ界最低のオーナー」と呼ばれる男がいる。その男の名はヴィンセント・タン。ウェールズの首都カーディフを本拠地とするカーディフ・シティFC(以下カーディフ)を牛耳るマレーシア人の会長だ。
カーディフは、元日本代表MF稲本潤一(札幌)が以前所属していたことでも知られる 。2013-14シーズンにプレミアリーグに初昇格を果たし、当時のチームにはセレッソ大阪でも活躍したMFキム・ボギョンや、ウェールズ代表FWクレイグ・ベラミ、現インテルのMFガリー・メデルらが所属していた。
そして、2010年にクラブを買収したタン会長は、これまでに幾度となく世間を騒がせ、サポーターの反感を買ってきた。
最もカーディフサポーターを憤らせた事件と言えば、2012年の「ユニホームカラーとエンブレムの変更」だろう。“ブルーバーズ”という愛称を持つカーディフは、その名の通り、青がチームカラーで、エンブレムにも鳥が描かれていた。
しかし、タン氏は独断でこれらの変更を決断。しかも多少の変化ではなく、ホームカラーを“青”から“赤”へ、そしてチームの エンブレムも“青い鳥”が中心に描かれたデザインから、ウェールズの象徴で、同国国旗にも描かれている「竜」が強調されたものへと大胆変更されている。タン氏は、それらの理由を英国営放送「BBC」で以下のように明かしていた。