日本はハーフタイムでの交代はなく、前半と同じ11人を送り込んだ。
　
　後半、北朝鮮のサイド攻撃から何度かチャンスを作られてしまう。6分には前半もチャンスを作っていた右サイドのロに突破を許し、シュートまで持ち込まれてしまった。
　　
　後半11分、この日は不発に終わった宇佐美に代え、柴崎岳（鹿島）を投入。谷口彰悟（川崎F）が中盤の底に入り、その前に山口と柴崎が並ぶ4-3-3の形に変更。先制ゴールの武藤はサイドにポジションを移した。
　
　18分には後半最初の決定機を迎える。カウンターから柴崎が中央を突破し、左サイドの武藤へ展開。4対2の数的優位を作り出す。武藤から逆サイドの永井へつなぎ、最後は中央でボールを受けた柴崎がシュートを放つも、ゴール上に外れた。直後の19分には山口のクイックリスタートから永井がDFラインの裏へ抜け出し、左足でシュート。しかし、力なくGKに防がれている。
　
　日本は、簡単にボールロストをする場面が目立ち、サイドから簡単にクロスボールを許すなど、北朝鮮に攻め込まれる場面も目立っていた。中々チャンスが作れない展開の中、後半27分には川又に代え、実に1523日ぶりにA代表のピッチに立つ興梠慎三（浦和）を投入。攻撃陣の活性化を図った。
　
　30分には武藤が右サイドからカットインしミドルシュートを放ち、北朝鮮ゴールを襲う。さらに、その直後にも永井が右サイドから上げたクロスに飛び込んだが、いずれも得点には繋がらなかった。
　
　後半33分、日本は同点に追いつかれる、再三、ロングボールからチャンスを作り出していた北朝鮮が同点に追いつく。DFラインからのロングボールを同20分に途中出場していた長身FWパク・ヒョンイルが頭で落とすと、リ・ヒョクチョルに右足で豪快に叩きこまれた。
　勝ち点3を目指すハリル監督は、後半39分に永井に代えて右ウイングに代表デビューとなる浅野拓磨（広島）を投入。若武者のスピードと決定力に託した。その浅野は同42分に興梠とのコンビでチャンスを演出したが、興梠へのパスがやや流れてシュートには持ち込めなかった。
　すると直後の43分、高く上がった左クロスをパク・ヒョンイルに頭で合わせられ、痛恨の失点。長身FWにシンプルに合わせる北朝鮮のパワープレーに屈し、1-2と逆転を許してしまった。なんとか同点ゴールを目指す日本は、終了間際に柴崎のフリーキックに槙野智章（浦和）が頭で合わせたが、シュートはわずかにクロスバーの上。直後に試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文　text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images