北朝鮮戦敗北で、若きなでしこが再び直面した宿命の課題とは…
進まない新陳代謝
なでしこジャパンの東アジアカップ初戦となった1日の北朝鮮との一戦は、2-4で敗れた。2度にわたってビハインドを追いつく持ち前の粘り強さを見せたが、最後は突き放されての力負け。佐々木則夫監督は、先日の女子ワールドカップカナダ大会で準優勝した最強メンバーとの経験の差をあらためて痛感した。
「選手たちはやろうとしていたことに前向きに取り組んでくれた。勝負どころの部分で、北朝鮮の方が最後に点を取った。攻め方が中央に寄ってしまって、取られ方が悪くてカウンター。相手のカウンターをさせないことを意識しながら戦っていたが、終盤に相手の得意な形が 出る戦い方をしてしまった」
試合前から警戒していた北朝鮮のカウンター攻撃に屈した。前半を0-1で折り返したが、後半4分に日本が1-1に追いついた。そこからは、ボール保持率を高めて厚みのある攻撃を見せた。しかし、中央を固める北朝鮮守備陣に対して正面突破を狙った結果、スピードのある逆襲を許した。結果的に2点目以降の3失点はカウンターでゴールを奪われた。
佐々木監督が試合後に再確認したのは、選手たちの経験値が不足している部分だ。2007年12月の就任以来、中核となるメンバーは大きく変わっていない。この間、何度か世代交代にかじを切ったが、最終的に大きな世界大会に臨む際の中心メンバーはほとんど変化してこなかった。
カナダW杯準優勝メンバーはあうん の呼吸で、高い技術と緻密な連動性を武器とした「女性版バルセロナ」と世界で称賛されるほどの完成度を誇った。その一方で、主力以外の新戦力は望むような台頭を果たさなかった。W杯でも新戦力はサイドバック有吉佐織(日テレ)程度。主軸以外に場数を踏ませきれなかったことの代償が、この試合にも表れてしまった部分は少なくない。