問われる主将の真価 なでしこ川村「苦しい時に引っ張っていける選手に」
厳しい黒星スタート
“チャレンジなでしこ”の主将に任命された川村優理(仙台)は、表情に満面の悔しさを浮かべていた。1日の東アジアカップ初戦の北朝鮮戦は、2度のビハインドを追いつく粘りを見せながらも、後半の勝負どころで立て続けに2失点を喫して2-4で敗戦。3試合の短期決戦としては、あまりにも厳しい黒星スタートとなった。
ボランチで先発した川村だが、「前半は相手の勢いにやられた」と語ったように、チーム全体が後手に回った。全体にミスも多く、悪いリズムのまま、0-1で試合を折り返した。それでも、杉田亜未(伊賀)とダブルボランチを組んだ後半はリズムが好転。同4分には同点に追いついた。「後半は、いい時間帯に追いつき、自分たちのリズムでボールを動かせた」という言葉のとおり、なでしこ得意のパスワークもさえ、勝ち越しゴールを奪いにいく流れとなった。
しかし、ここから試合前に、自身も警戒していたとおりの展開になってしまう。前日の段階で警戒していた北朝鮮のカウンター攻撃を受け、さらに3失点を喫してしまう。特に、3点目と4点目のシュートシーンでは青いユニホームが北朝鮮のFWを取り囲んでいたが、足を振り抜かれてしまった。
「相手のカウンターサッカーに負けてしまった。最後のところで相手にシュートを打たれているし、そこで体に当てなければ失点を防げない。そこが勝負の分かれ目。大事にしていかなくてはいけない」
川村は、チーム全体の守備意識について厳しい言葉を残した。自身もキャプテンとしてのプレーに「苦しい時にもっとチームを落ち着かせ、引っ張っていける選手にならなくてはいけない」と、納得はしていない。
それでも、「次の韓国戦は負けられない試合。本当にどの国も強豪で厳しい試合になる。またビデオを見て、自分たちで反省して、次は勝てるように頑張りたい」と前を向いた。苦境に陥ったときにチームを立て直すのも、キャプテンの大きな役割になる。中2日で迎える韓国戦に向け、リーダーシップが問われる。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images