チャレンジなでしこ、東アジア杯初戦で守備陣崩壊 4失点で北朝鮮に完敗
無念の後半
後半から佐々木監督は、左サイドバックに上尾野辺、右サイドバックに高良、左サイドハーフに京川とポジションチェンジを行った。すると、同4分になでしこが同点ゴールを奪う。右サイドのFKで上尾野辺が中央へボールを上げると、ニアサイドで菅澤優衣香(千葉)が競った後ろに増矢が飛び込み、冷静に右足で蹴りこんで1-1と追いついた。
落ち着きを取り戻したなでしこは、中盤で杉田と川村がゲームをコントロールし、主導権を奪い返した。勝ち越しゴールを狙いにいく佐々木監督は、2部にあたるなでしこチャレンジリーグから唯一選出のMF横山久美(長野)を京川に代えてピッチへ。横山はFWに入り、有町を左サイドハーフに変更した。
しかし同20分、またもなでしこは北朝鮮のカウンターでピンチを迎える。FWラ・オンシムに抜け出されると、高畑志帆が必死に戻ったがわずかに及ばず、GK山根が引きつけられたところでラストパスを出され、MFリ・イェキョンにこの日2点目のゴールを許して1-2とされた。戦前にキャプテンの川村が「北朝鮮はカウンターに特長があるチーム」と語っていたが、その武器を生かされる形になってしまった。
それでも、なでしこイレブンは今大会に懸ける強い気持ちをピッチで表現した。同25分、上尾野辺のクロスが相手にクリアされたところに杉田が走り込むと、25メートルほどの距離から右足を振り抜き、ボールは鋭く伸びてゴール右上に突き刺さった。代表2試合目の新鋭MFの鮮やかなミドルシュートで、なでしこは2-2と再度追いついた。
しかし、ここから北朝鮮の強力FWがなでしこの前に立ちはだかる。同34分、同36分とゴール前中央でボールを持ったFWラ・オンシムにDF陣が振り切られ、右足で立て続けに決められ、2-4と突き放された。直後に佐々木監督はFW高瀬愛実(INAC)をピッチへ送り込んで川村をDFに、有町をトップ下にするシステム変更で攻撃の圧力を高めたが、このまま無念のタイムアップ。大事な初戦を落としてしまった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images