ノジマステラ田中陽子、“勝負の4年目”に滲む充実感 「移籍してきて本当に良かった」
ボランチからトップ下へシフトして躍動「オフ・ザ・ボールの動きは意識している」
リーグ2位の26得点を挙げた移籍1年目は、なでしこリーグ1部・2部入れ替え戦でアウェーゴール数の差に泣き昇格は果たせなかったが、悔しさを胸に秘めて挑んだ2016年にクラブ創設5年目にして2部優勝と1部昇格を達成。昨季はクラブ史上初のトップリーグを戦い、8位と苦しみながらも貴重な経験を積んだ。
田中は今季、中断期間前までにリーグ戦9試合(1得点)、カップ戦8試合(2得点)と公式戦全試合に出場。好調なシーズンを送っているが、ポジションの変化が持ち味を発揮することにつながっていると語る。
「以前はボランチが多かったですけど、今年は4-3-3のトップ下。オフ・ザ・ボールの動きは意識しています。今は後ろ向きで潰されることはほぼなくなったので、狭いところでも前を向いて仕掛けたり、裏に抜けたり、最後のパスを狙ったり、試合の流れを引き寄せられるようなプレーをするところを皆さんにも見てほしいですね」
チームも得点ランキング1位タイのFW南野亜里沙(6得点)を筆頭に、新人FW田中萌が3ゴール、副キャプテンのMF石田みなみも2ゴールを記録。カウンターだけでなく、サイドからワンタッチを使って相手の守備を崩すなど、攻撃のバリエーションも増えている。田中も「今年は新加入選手と既存メンバーの力が上手く融合している」と手応えを口にするが、ノジマステラに加入して3年、チームを“作っていく感覚”を楽しんでいるという。
「移籍初年度は、チームのやり方に(INACと)違いを感じましたけど、逆にステラの良さにも触れて、自分に足りなかった部分を全部吸収したいと思いました。去年は皇后杯で準優勝できて、チームで一つになってタイトルを懸けて戦えたので、移籍してきて本当に良かったな、と。毎年入ってくるメンバーがいて、自分の中でもできること、こうしようと思うことが違う。一年一年、変化があって楽しいですね」