覚醒への序章―― ヤングなでしこGKスタンボー華、U-20W杯で見えた“新たな世界”
【直撃インタビュー】W杯優勝の反響は「自分が思っていた以上に大きくてビックリ」
ヤングなでしこの愛称を持つU-20日本女子代表は、8月に開催されたU-20女子ワールドカップ(W杯)で、見事に大会初優勝を飾った。日本女子サッカー界では、2011年のA代表と14年のU-17代表に続くW杯優勝となり、これで3世代W杯制覇という世界初の快挙を達成。大きな注目を集めたなか、チームを盛り立てた一人がドイツ系米国人の父と日本人の母を持つ175センチのGKスタンボー華(INAC神戸レオネッサ)だ。
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今大会全6試合中、5試合にフル出場。決勝トーナメントの3試合では全てスタメン起用され、世界一に大きく貢献した。それでも本人は「優勝したからOKではなく、ダメな部分はたくさんあった。これからです」と浮かれる様子は微塵もない。世界に触れ、覚醒の時を迎えようとしている19歳の守護神を直撃した。
――U-20女子W杯優勝おめでとうございます。初めての世界大会を終えた感想を聞かせてください。
「ワールドカップはサッカーをやっている誰もが憧れる大会。それは男子でも女子でも、アンダーでも、トップカテゴリーでも変わらない。自分にとって初めての“世界”は、緊張と不安、楽しさの混じった複雑な感情でしたが、素晴らしい舞台に立てたことは嬉しいです。周りの人に支えてもらって自分がプレーできているので、感謝しかありません」
――日本としてU-20女子W杯初優勝、さらにA代表とU-17世代に続く史上初の女子W杯全カテゴリー制覇の快挙でした。反響も大きかったのでは?
「正直、自分が思っていた以上に大きくてビックリしています。大会前は注目されているとは言い難い状況でした。でも、それは自分たちの責任。だからこそ、こうして優勝できて、しっかりアピールできたのではないかと。どうだ! って(笑)。私たちが頑張って優勝をつかみましたと、日本全体に報告できたのは最高の気分です」
――大会前には、「目標は優勝。金メダルを日本に持って帰ってきたい」と話していましたが、まさに有言実行ですね。
「みんなに言ってしまいましたからね(苦笑)。日本の女子サッカーを盛り上げるためにも、絶対にメダルを持って帰ってこないといけなかったので、“ミッション”を果たせて少しホッとしています」
――改めて、世界の強豪がひしめくなかで大会を制すことができた勝因は?
「みんな守護神と言ってくれるんですが、私は大したことはできていません。フィールドにいる10人、ベンチにいるチームメイト、監督、コーチが一丸になって闘ったからこその結果です。自分たちはハードワークを何よりも大切にしていて、それがしっかりできていた。ハードワークとひと言で言っても本当にキツいんです。でも、チーム全員が日本にいる仲間、家族、ファン、感謝を伝えたい人のために戦い抜きました」