4強進出のU-21日本代表、英国人記者が絶賛 「森保監督にとって最大の収穫」とは?
準々決勝でサウジアラビアを2-1撃破、際立った日本守備陣の組織と堅牢さ
U-21日本代表は27日、インドネシアで開催されているアジア大会の男子サッカー準々決勝U-21サウジアラビア代表戦で2-1と勝利し、29日の準決勝でUAEと激突することになった。
これまでワールドカップを6大会取材し、“アジアサッカー通”としても知られる英国人ジャーナリスト、マイケル・チャーチ氏がこの一戦を観戦し、4強進出に成功した森保一監督の「もう一つの勝利」についても称賛している。
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初戦のネパール戦2日前に現地入りしたチームはコンビネーションに苦しみ、大会ではこれまでなかなかボール支配率の高さを生かすことができなかった。だが、森保監督は4強進出以外に、もう一つの勝利もあった。
サウジアラビアのFWハルーン・カマラは、日本が徹底的にマークすべき選手だった。サウジ強豪アル・カーディシーヤの将来有望と評価されるストライカーであり、そのパワーとスピードで最大の脅威だったからだ。16強の中国戦(サウジ4-3勝利)ではハットトリックを記録し、凄まじい働きぶりを見せつけていた。
だが、日本の守備陣が最高のパフォーマンスを披露したと思う。中国代表を蹂躙したカマラの脅威は、森保監督の愛弟子たちにほぼ無力化されていた。ありとあらゆる問題を起こすように思えたが、アブドゥルラフマン・ガリーブの決定機を演出したシーンが唯一だった。
これは触れておきたいが、日本の許した唯一の失点は、だれかのミスというものではなく、不運によるものだ。GK小島亨介はアブドゥラー・アルユシフのシュートをよく食い止めていた。しかし、その跳ね返りが味方に直撃し、ループシュートのようにゴールに吸い込まれたが、DF立田悠悟に他の選択肢はないように見えた。もっとも失点はそれだけだ。1失点で食い止めた日本守備陣の組織と堅牢さは、森保監督にとって最大の収穫と言えるかもしれない。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。