チリ代表DF 「そうだよ、だました。だから何だ?」
同試合の前半35分、オーストラリアのエース、ティム・ケーヒルは得点を挙げた。その彼は試合中、耳を疑ったという。彼をマークしていた、チリ代表DFエウへニオ・メナが試合中に主審を欺いたことを自ら告白したのだ。
「前半のことだが、クロスにあわせようとしたら、左サイドバックがひじ打ちをした揚げ句、蹴ってきた。それなのに、私がイエローカードをもらった。彼を“チート”と呼んだら、“そうだよ、私はだました。だから何だ”と言い返してきた。スポーツマンらしくない行為だ」
前半44分のこの競り合いで、主審のヌマンディエ・ドゥエはメナではなく、ケーヒルにイエローカードを突きつけた。居直りの姿勢を見せたメナに対し、憤まんやるかたないケーヒルはチリMFアルトゥロ・ビダルにも「良くないだろう。こんな行為はフットボールの試合に必要ない」と主張したという。
ケーヒルは試合後、「こんなことで有利を得るよりもフェアプレーをするべきだろう。自分はプレーしたいだけだった。彼(メナ)はフィジカルで僕を止めようとして、戦いに敗れた。でも、イエローを受けたのは私の方だった」と状況を説明している。
コートジボワール人主審の判定に対する憤りは止まらない。エリア内で相手のマーカーにユニホームを引っ張られた場面があったというが、「FIFAの職員と話した時には、相手のユニホームをつかむ行為は厳しく処分するという通達があったのに……」とケーヒルは指摘する。
今大会の開幕戦ブラジル対クロアチア戦では、西村雄一主審のブラジル代表FWフレッジに与えたPKの判定を巡り、世界的な物議を醸している。この試合では主審を欺いたと、相手FWにディフェンダーが自らの行為を認めており、今大会でのレフェリーの判定や所作にもピッチ内外から一層厳しい視線が注がれることになりそうだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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