【W杯詳細分析・日本-コートジボワール】データから浮き彫りとなった日本の敗戦の要因とザッケローニ監督へのメッセージ

日本は「自分たちのサッカー」が通用しなかった時にどうするのか

 

 これまでのザッケローニ監督の発言から推測すると一つ目のオプションはないように思える。イタリア人指揮官は4年間、自分たちが追求するサッカーを積み重ねてきた。今回のメンバー選考ひとつとっても、あくまで「自分たち」が積み上げてきた攻撃的なサッカーを貫くという強い意思が伝わってくる。そうなると二つ目、ベストな状態で自分たちのサッカーが出来れば世界とも対等に戦える力がこの日本代表にはあるということを信じることが、今の我々に出来る唯一のことだ。

 ザッケローニ監督は「Japan way」、日本人の良さを理解し、日本人らしいサッカーを追求し続けてチームを作ってきた。そしてその代表チームには優勝を目標として公言する選手がいる。初戦の敗戦を受けて決勝トーナメント進出の心配せざるを得ない状況となったが、今のメンバー達はベスト8やベスト4以上の結果を出さなければ、満足しないはずだ。しかし客観的に見て、グループリーグを突破できれば、一定の成果を収めたとも言えるだろう。冷静に日本の実力を評価した時、かつてのスペイン代表のように「自分たちのサッカー」が出来れば勝てるという所には到達できていないように思える。

「自分たちのサッカー」が志半ばであれば相手に研究され対策を打たれてしまう。そうだとすれば、ザッケローニ監督自身が「自分」らしさを捨ててでもその豊富な経験の引き出しの中から現時点で最も可能性のある戦術オプションにトライすることも必要だと思う。それが決勝トーナメント進出への現実的な方法に思える。

 それでももし、「自分たちのサッカー」にこだわった結果、目標とするところまで手が届かなかった時、ザッケローニ監督には“日本人の持つ良さ”に「目的達成のためには非常に柔軟でフレキシブルな対応が可能な民族だ」という日本人観も加えて欲しいと思う。

analyzed by ZONE World Cup Analyzing Team

データ提供元:opta

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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