U-21日本代表に英記者が助言 「二人が先発でなければ驚き」と称賛したMFコンビは?
「今はとにかく金メダルを手にするためのチーム構成を」
日本が今後、長期的に成長していくために、森保監督は最も効果的なスカッドを見出しつつ、できるだけ多くの選手にプレー機会を与えていかなければならない。だが、今はとにかくこの大会で金メダルを手にするために選手たちを厳選し、チームを構成することが必要だ。
彼のもとには実際、勝ち進むための戦力が揃っている。特に松本泰志はグループリーグの各試合で強烈な印象を残し、MF遠藤渓太(横浜F・マリノス)も脅威の左足を見せつけていた。松本は、中盤で神谷優太とコンビを組んだ時にベストパフォーマンスを披露している。もし金曜日(マレーシア戦)に、この二人が先発で揃うことがなければ、それは驚きという言うほかないだろう。
前線ではFW前田大然(松本山雅FC)、FW旗手怜央(順天堂大学)、MF岩崎悠人(京都サンガF.C.)の3トップがパキスタン相手に輝きを放っていたが、それは再び先発メンバーに名を連ねるのに十分な証明だったと考えている。
日本がマレーシアに勝利した場合、準々決勝では中国とサウジアラビアの勝者と顔を合わせることになる。中国はグループリーグで全勝し、欧州で活躍するFWチャン・ユニン(ADOデンハーグ)と北京国安のMFウェイ・シーハオが突出していた。だが、サウジアラビア相手となると一筋縄ではいかないはずで、激戦が予想される。
その他の対戦カードを見ていくと、韓国はイランとの壮絶バトルを迎える。両チームは過去8大会で金メダルを手中に収めてきた強豪同士。ソン・フンミンの兵役免除という願望は、ズラトコ・クラニチャール監督が率いるチームを前に試練を迎えることになる。
ウズベキスタンは今年1月のAFC U-23選手権の優勝国であり、香港は大会3位を狙える実力を備えている。北朝鮮も驚くべき組織力を見せるバングラデシュに面食らうことだろう。シリアとパレスチナの一戦は、どちらもグループリーグで不安定なパフォーマンスだったので、ある意味接戦で、予測のつかない戦いとなるかもしれない。
[記者PROFILE]
マイケル・チャーチ。英「PA通信」のアジア支局長、AFC機関紙「フットボール・アジア」編集長を歴任。ワールドカップとアジアカップをそれぞれ6大会取材したスポーツジャーナリスト。かつては東京在住で、現在は香港に拠点を置き、アジアサッカーを20年間カバーしている。
(マイケル・チャーチ/Michael Church)
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。