湘南の選手が分析「“1カ月で二度目”のイニエスタ」 神戸に生まれていた“変化”とは?
イニエスタとわずか1カ月で二度目の対戦 コンディションが上がり、ボールタッチ数も増加
目の前の相手が間合いを取った瞬間、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは右足を一閃した。前線へと送られたクロスにFW長沢駿が競り勝ち、ボールの落下点にMF三田啓貴が鋭く詰める。19日のJ1リーグ第23節・湘南ベルマーレ戦(2-0)の前半37分に記録した、ヴィッセル神戸の先制点の場面である。
この時間、神戸がボールを持ち、相手陣内に展開していたものの、対する湘南は特に劣勢に陥っていたわけではなかった。むしろ前向きな守備からフィニッシュまで持ち込むなどゲームの流れを手繰り寄せていたが、状況はそのひと振りで一変した。
「以前よりコンディションは良くなっていると思う。ボールに触る回数も増えていた」
7月22日のJ1第17節で湘南が神戸に3-0と快勝した前回対戦を踏まえ、DF坂圭祐はイニエスタに対する印象の変化を語った。およそ1カ月前、ノエビアスタジアム神戸での一戦でJデビューを果たしたイニエスタは、来日からまだ日が浅く、コンディションは十分に整っていなかった。それでも、途中出場でピッチに立つと巧みなタッチやパスでスタジアムを沸かせたが、以降さらに時を重ね、直近2試合ではJリーグ初得点を含む2戦連続ゴールを決めるなど、元スペイン代表は着実に調子を上げている。この日も得点シーンのみならず、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキにラストパスを送るなどチャンスを演出した。
「相手とぶつからないポジショニングがすごく上手い」
そう舌を巻くのは、湘南のMF秋野央樹だ。
「常に首を振っていて、それが90分を通して途切れないのは素晴らしいなと思います。ずっと顔が上がっているので飛び込めないし、飛び込んだ時にワンツーで剥がすのも彼が狙っているところ。試合を戦いながらですけど、すごく勉強になる。タッチがブレないところやファーストタッチでどこにも蹴られる場所に置くところは、今からでも意識すれば自分にもできると思うし、体格に関係なく世界でプレーできていることが一緒に戦ってみて納得できます」