コートジボワールFWドログバ 「正直、日本は危険な相手ではなかった」
同国初の決勝トーナメント進出に向け、大事な初戦を逆転勝利で飾ったコートジボワールの英雄は勝利の喜びをこう語った。
「これは偉大な勝利だ。この結果について満足している。ここ数週間、この試合のために準備を進めてきた。この大会に勝利で入ることができたことは大きい。もしも、次のコロンビア戦でいい結果を挙げることができれば、この勝利はもっと重要な結果と言えると思う」
11日の練習で太ももを負傷し、スーパーサブだったドログバは0-1で迎えた後半17分から途中出場した。そこからチームは、後半19分と21分に連続ゴールで逆転した。「60分間は攻めあぐねたが?」という質問についてはこう語ったという。
「日本は正直危険な相手ではなかったが、我々が中途半端だった。我々は(失点後に)アクションを起こした。いいプレーやいい雰囲気を見せることができたが、それは恥ずべきことだ」
前半 16分、長友佑都からのパスを受けた本田が絶妙な右足でのトラップから左足で豪快に先制点を決めた。一時はリードを許した日本代表に関してドログバは「危険」という印象を持つことはできなかったという。むしろ、多くのチャンスをつくりながらも拙攻を続けたチームに対する怒りが収まらなかったようだ。
ゴールこそ決められなかった36歳のベテランだが、ピッチにひとたび足を踏み入れただけでスタジアムの雰囲気を一変させた。日本のDF陣が競り合えないほどの異次元のフィジカルの強さを示した圧倒的な実力は健在だ。「先発出場できなかったことには、落胆しているか?」という質問にはこう答え、ベンチスタートでも気高き人間性を示した。
「がっかりしていたとしても、スタメンで試合に出ている選手に対する敬意を示し、サポートをしなければいけない。この失意をモチベーションにする必要はない」
さらに、「ドログバの途中出場で試合の流れが変わった?」という質問に対しては「もしも、あなたがそういうなら……自分がどれぐらいの時間、プレーしたか分からないけれど、チームに貢献することが大事なことなんだ」と力説した。
圧倒的な実績、実力を誇る国民的な英雄がジョーカー役をき然と受け入れ、日本DF陣を混乱に陥れる使命をしっかりと果たした。ドログバの存在こそが、コートジボワール最大の強みとなっている。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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