東アジアカップ優勝に勢い! 「チャレンジなでしこ」がリーグ戦で躍動
INAC高瀬、京川が東アジア杯前哨戦でゴール
なでしこリーグは、8月1日にスタートする東アジアカップ前の最終の試合が25日と26日に各地で行われた。首位のINACは、東アジア杯でなでしこジャパンのメンバー入りを果たしたFW高瀬愛実とMF京川舞のゴールでAS埼玉に2-1で勝利。勝ち点を34に伸ばし、首位をキープしている。
女子ワールドカップカナダ大会を右膝の負傷で断念し、悔しい思いから復帰した高瀬の勢いが止まらない。7月12日のリーグ再開戦から4試合連続ゴールをマークし、首位を走るチームの原動力になっている。4試合全てでハーフタイムに交代で退いているだけに、コンディション面で不安を残すが、逆に言えば前半のみの出場で4戦連発は実力の証しだ。京川も、この日のゴールで3戦連発。なでしこジャパンの佐々木則夫監督が東アジアのメンバー23人について「チャレンジなでしこ」と位置付けている。来年8月のリオデジャネイロ五輪での金メダル奪取のために、カナダ女子ワールドカップ準優勝メンバーの定位置を脅かすような新戦力の活躍に大きな期待が掛かっている。
一方、2位の日テレは新潟戦で0-1の敗北を喫し、INACとの勝ち点差が4に広がった。日テレは前半22分に先制点を許すと、MF上辻佑実やFW田中美南といった代表メンバーを擁する攻撃陣が反撃に出た。しかし、DF北原佳奈や東アジアカップでなでしこの「10番」を背負う上尾野辺めぐみを軸とした新潟が奮闘。そのままリードを守り切った。
3位の仙台は、点の取り合いになった浦和とのゲームを3-2で制し、日テレと勝ち点で並んだ。開始直後の6分にセットプレーから先制した仙台だが、浦和の反撃にあい前半のうちに1-2と逆転を許してしまう。しかし、後半に2点を奪って再逆転して競り勝った。昨季女王でMF猶本光、柴田華絵、DF高畑志帆と3人の東アジアカップなでしこジャパンメンバーを擁する浦和だが、2連敗で7位に後退。リーグ6位までが年間優勝の座を懸けて争うエキサイティングシリーズ進出に向けて黄色信号が灯っている。
千葉と伊賀は2-2で引き分けた。伊賀から唯一なでしこ入りのMF杉田亜未が先制のPKを決めるなど2点をリードしたが、試合終盤に千葉の反撃を許して追いつかれた。東アジア杯は温存された、なでしこジャパンの主将MF宮間あやのフル出場した岡山湯郷は大阪高槻を1-0で下して6位に浮上している。
8月1日からの東アジアカップ中国大会により、リーグは一時中断。第14節のゲームは9月5日と6日に各地で行われる。なでしこリーグは9月中に18節までのレギュラーシリーズ全ての試合を消化し、その後は上位6チームと下位4チームに分かれ、それぞれ年間優勝とリーグ残留を争う戦いに移行する。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images