課題の戦術面を立て直せるのか!? ギリシャ戦で試されるザッケローニ監督采配
「過去は振り返らずに、また頑張ろう」
前夜、本田圭佑の強烈なゴールで手にしたリードを維持できず、1次リーグ突破に向けた重要な初戦を落とした。指揮官は、その前日の惜敗を振り切るような言葉で選手たちの気持ちをつないだという。
前日の試合後の記者会見では、ザッケローニ監督は自らの“不振”も告白していた。
「状況を変えなくてはならなかった。新しい選手を入れて上手くいっていないのであれば、ピッチ内の何かを変えないといけない。予測しなければいけないし、強化する必要性もある。チームのパフォーマンスを上げようと試みたが、何も変わらなかった」
打つ手は全て奏功しなかった。後半9分、MF長谷部誠に替えて、遠藤保仁を投入。FW大迫勇也に代えて大久保嘉人を切ろうと準備していた。だが、その決断を迷う間に、コートジボワールはディディエ•ドログバをピッチへと送り出した。その後、一気に劣勢に立たされ、2失点を許した。さらに前線の選手の配置で混乱をきたし、本田を1トップで起用するなど、ピッチ上にもベン チの混乱が波及する結末に終わった。
敵将の元フランス代表サブリ•ラムシ監督は、今回のコートジボワール代表監督が初の監督経験となる。インテル時代にはザッケローニ監督の指導を受けるほど、指導者としての経験値には大きな差があるはずだった。しかし、日本の指揮官は采配面でも後れをとった。
「ボールを受けたときの距離感、連動性もうまく回ってなかった」と分析した香川は「1人1人の距離が遠かった。サイドバックもすごく上がってきて、そこでの守備、前からのプレスも行けなかった。そこはすごく苦労しました」と振り返った。
連動性を特長としてきた日本代表だが、コートジボワールのサイドバックのオーバーラップによって縦横に分断され、適切な距離感を保つことができなかった。戦術の国、イタリア出身の指揮官としては看過できない問題点だろう。だが、森重真人はこの日の練習後、「技術的なことや戦術というより、気持ちの切り替え、メンタリティーの切り替えの話が多かった」と語り、まずは指揮官がメンタル面のケアを行ったことを明かした。
ワールドカップ本大会のピッチ上で脆弱性を露呈してしまったザックジャパン。大一番で拙いベンチワークに終わってしまったザッケローニ監督が次戦ギリシャ戦までに戦術面でいかに立て直すのか。初戦から中4日、厳しい決勝トーナメント進出に向けた大きなテーマとなりそうだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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