UEFA審判委員長、今季CLでのVAR導入を否定 「非常に複雑」な環境面の問題指摘
待望論が根強いものの、コッリーナ氏はハード面や放映権での難しさを語る
欧州サッカー連盟(UEFA)の審判委員長を務めるピエルルイジ・コッリーナ氏は、新シーズンを前に改めてUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でのビデオ・アシスタントレフェリー(VAR)の導入を否定した。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じている。
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VARはFIFAクラブワールドカップや今年のロシア・ワールドカップ(W杯)で導入されたほか、イタリア・セリエAなどの国内リーグでもすでに導入。今季からフランスリーグでもスタートするなど、拡大の様相を呈している。
一方で、CLでは導入されていない。待望論も根強いVARについて、コッリーナ氏は改めて今季の導入を否定すると同時に、環境面が理由に上がった。
「現時点で、VARは各国のリーグ戦など一つの国の中で完結する大会では非常に有用だと考えている。ただし、CLでそれを導入するとなると、多くの国に渡っているうえに、多くのテレビ放送局が一つの試合にテレビカメラを送り込んでいる状況では、非常に複雑なものになる。将来的にはUEFAもVAR導入を決断すると確信しているが、それは今ではない」
また、W杯決勝のレフェリーも務めた経験があるコッリーナ氏は、VARを「心に安らぎを与えるもの」と表現している。一方で「ピッチ上の審判が最終決定に責任を持つという精神は、よりハッキリと持たれるべきだ。際どいプレーをジャッジすることを止め、後でビデオを確認するという判定方法がスタンダードになってしまうのは良いこととは思えない」と発言した。
昨季は準々決勝のユベントス対レアル・マドリードの第2戦で、試合終了間際にレアルへPKが与えられた場面でユベントスがVAR導入の意見書を提出したとされた。しかし、ハード面や放映権などの問題がクリアになるまで、欧州最高峰の舞台にVARが導入されることはなさそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)