運命に導かれた2人 香川とギュンドアンが“わが家”で再起を懸ける
負傷に泣いたギュンドアン
「攻撃的な選手に求められる数字としては明らかに物足りなかった。安定したパフォーマンスという意味でも何があったのかなと。継続して結果を残して、チームの勝利に貢献したい」
香川は記者会見で昨季の出来についてこのように話している。この言葉からも自身の現状に満足していない様子がありありと見て取れる。もっとできるはずという思いは、誰よ りも本人が感じていることだろう。
また、ギュンドアンも近年は負傷に泣かされ、納得いくシーズンを送ることができていない。2013年8月に行われたドイツ対パラグアイの一戦で脊椎損傷を負ったギュンドアンは、そこから14カ月に及ぶ長期離脱を強いられた。復帰を果たしたのは2014年10月。母国が優勝を果たしたW杯のピッチに立つ夢もかなわなかった。
一度は、クラブとの契約延長を行わないと公言し、移籍確実と見られていたギュンドアン。なかでも熱心で、一時は移籍合意との報道も出たクラブは、くしくも香川の前所属チームでもあるマンチェスター・ユナイテッドだった。結局移籍は実現せず、ギュンドアンもその後、自身の決断を撤回。一転して、ドルトムントとの契約を2017年6月末 まで延長し、残留が決定していた。ギュンドアンは、こう言葉にした。
「トップレベルに復帰し、チームを助けたい。ドルトムントに残留の決断が遅れたことで、プレッシャーはより大きくなった。でも、ファンからはたくさんの励ましの言葉をもらった。彼らは少なくともあと一年間、僕が残ることを喜んでくれた。ボルシア・ドルトムントというクラブは本当にわが家のような快適さがあるよ」