マンUでの苦い思い出

　ドルトムントの日本代表MF香川真司が、クラブの記者会見に出席し、今季への強い思いを語った。親友のドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンも登壇した会見場では、2人が冒頭から談笑するなど、リラックスした様子だった。
　2010年にドルトムントに加入した香川に遅れること1年、ギュンドアンはニュルンベルクから当時ブンデスリーガ王者だったドルトムントに加わった。加入当時から同じアパートに住んでいたこともあり、プライベートでも親交のある2人の仲の良さは有名だ。6月に行われた2018年ロシア・ワールドカップのアジア2予選、日本対シンガポールの一戦では、来日 していたギュンドアンが日本代表のユニホームを着て香川にエールを送っていたほどだ。
　
　2011-12シーズン、ドルトムントはブンデスリーガを制覇。香川は2年連続2回目、ギュンドアンにとって自身初となる栄冠を手にした。この年、香川は31試合出場13得点、ギュンドアンは28試合出場3得点を記録。充実のキャリアを送っていた。
　
　しかし、近年は共に順風満帆なシーズンを送っているわけではない。香川は2012年、リーグ2連覇を置き土産にイングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドへ移籍。しかし、アレックス・ファーガソン氏（引退）、デイビッド・モイーズ監督（現レアル・ソシエダ）という両監督のもとでレギュラー確保には至らず、出番も激減していった。
　
　その後は、試合 勘の不足からかコンディションが低下。日本代表でも2014年ブラジル・ワールドカップ、2015年のアジアカップでも低調なパフォーマンスに終始するなどスランプに陥った。再起を懸けてドルトムントに復帰した昨季も、28試合に出場して5得点。チームをドイツ王者に導いた当時の輝きは失われたままだった。