キャプテン長谷部が悔やむ 「できなかった自分たちのサッカー」
ただし、日本は主将が後半54分、ベンチに退くと、その10分後に同点。そして、さらに2分後に逆転を許した。長谷部はベンチ前で声を張り上げ続けたが、ピッチに残された選手たちは連続失点から立ち直ることができず、そのまま1-2で敗れた。
長谷部は試合後、この初戦を振り返る中で、「きょうは自分たちのやりたいサッカーができなかった」と繰り返した。
「それが一番。相手が良かったわけじゃない。90分間を通して、ずっと自分たちのリズムでできなかった。先制してから引いてしまって、守りに頭がいってしまった」
攻撃的なサッカーを志向し続けてきたはずのザックジャパンだったが、この試合はその「自分たちのサッカー」が影を潜めた。クラブ単位では大舞台を経験してきたアルベルト・ザッケローニ監督にとってもこれが初のW杯。この4年間で取り組んできたスタイルとは異なる慎重なゲーム展開に終始してしまった。長谷部は、それを悔いた。
「このチームは、1点を守りきるチームづくりをしていない。ボールを簡単に失う場面があって、そこからピンチになった。負けたことは悔しいけど、自分たちのサッカーができなかったことが一番悔しい」
試合後、冷静に試合を振り返りつつも、ふつふつと湧いてくるその悔恨の情にあらがっていた。過去日本が連続出場した4大会では、決勝トーナメントに進出した02年の日韓大会も、10年の南アフリカ大会も初戦で勝ち点を挙げた。1次リーグで敗退した、98年フランス大会と、06年ドイツ大会は、いずれも初戦を落としている。
その過去を塗り替えることができるか。ザックJAPANはここから前例なき戦いに身を投じる。そのためにも、主将が言葉にした「自分たちらしい日本のサッカー」をまずは取り戻すべきことが先決だろう。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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