W杯初出場で洗礼を浴びた森重 「W杯の難しさを感じた」
1点リードで迎えた後半19分、日本の左サイドでフリーになったオリエールがクロスを入れてきた。森重はその瞬間、マークについていたコートジボワールFWボニーに自分の前へと入られ、頭で同点ゴールを許してしまう。
それまで水際で体を張って失点を阻止してきた。だが、エレファンツのエースストライカーであるドログバが途中出場すると、その抜群の存在感によって守備陣は混乱に陥った。森重は首を捻る。
「前半からうまくボールを奪いにいけなかった。前半をしのいで、後半はアグレッシブにボールを獲りにいこうとしているところでうまくいかず、そこでドログバが入ってきた。その中でやられてしまった」
08年の北京オリンピック以来となる世界大会の場だった。しかし、今回はその6年前を遙かに凌ぐような高い壁に阻まれたと言っていいだろう。修正を急いだが、相手はそれを待ってはくれなかった。同点ゴールを許した直後の2分後、再びフリーとなったオリエールにゴール前へとクロスを入れられてしまう。今度はジェルビーニョに頭で決められ、同じような形で決勝点を献上してしまった。
「W杯の難しさを感じた。親善試合とかとは違っていた。それは最初から想定してこの場に来ているけど、(W杯の難しさを)はね返すメンタリティーが足りなかった」
初めて肌で知った世界基準は、少しのスキさえも見過ごしてはくれない。森重は、そのW杯デビュー戦で、あまりにも大きな授業料を支払わされることになってしまった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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