ミラン本田、仏強豪相手にドリブル突破で残留アピール
今季初黒星にもミハイロビッチ監督は楽観
セリエAのACミランは18日、フランス強豪リヨンと敵地スタッド・ジェルランで親善試合を行い1-2で敗れた。日本代表FW本田圭祐は後半30分、MFアンドレア・ポーリの強烈なミドルシュートの前に、ドリブルでゴールに絡むプレーで定位置確保にアピールした。
今夏、FWカルロス・バッカをはじめ積極補強を敢行したミランだが、先発イレブンに名を連ねた新戦力はローマから獲得したイタリア代表MFアンドレア・ベルトラッチのみだけだった。
ベンチスタートとなった本田は後半17分からMFジャコモ・ボナベントゥーラに代わって途中出場。直接得点に絡むことはなかったが、後半30分に存在感を示した。ドリブルでゴール前に持ち込んだ。マーカーを引き付けながら、MFアレッシオ・チェルチに横パス。チェルチのシュートをDFが弾いたこぼれ球を、ポーリが右足で豪快なロングシュートを叩き込んだ。
ポーリの完全な個人技だったが、本田もコンディションの充実ぶりを示した。ミランはポーリの一撃で1-1に追いついた。一方、リヨンはアーセナルなどビッグクラブが獲得を狙うと報じられているMFナビル・フェキルとFWアレクサンドル・ラカゼットがゴール決めて、本拠地での親善試合で白星を獲得している。
試合後のシニシャ・ミハイロビッチ監督のコメントを伊サッカー情報サイト「フットボール・イタリア」が伝えている。
指揮官は「フィジカル、技術、そして戦術とすべての面で準備はこれから。プレシーズンは始まったばかりだ」と語った。新戦力のバッカやルイス・アドリアーノ、昨季16得点のジェレミー・メネズら実力者はチームに完全合流しておらず、万全な状態でないことを主張した。
「負けるのは喜ばしいことではないが、現段階では満足している。(リヨン戦は)いい試合だったと捉えているよ。良いプレーができていたし、さらに良くなっていくだろう」と楽観的な様子を見せていた。ミランは中国に出発し、インターナショナル・チャンピオンズカップに参戦。26日にインテル、30日にはレアル・マドリードと対戦する予定だ。
今後、主力が全て合流すれば、各ポジションで激しい定位置争いが行われることは間違いない。特に前線は人材過多で、背番号「10」を背負う本田も放出要員の一人という見方も地元メディアではされている。セリエAの今季登録選手は25人。ミランのトップチームには31人も在籍しており、今季欧州のカップ戦も存在しないために、6人以上のリストラの必要が存在する。パリ・サンジェルマンFWイブラヒモビッチ、ローマDFロマニョーリ獲得にも動いており、補強に成功した場合、一層人員削減の必要もある。
ミラン残留を熱望する本田は自分の居場所を確保するためにも、猛アピールが必要な状況となっている。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images