「70億分の1の“何者”かになる」 J2徳島のプロサッカー選手、井筒陸也の生き方
「選手の側から新しい形をどんどん提示することも必要」
――ブログでも触れられていますが、オフにはスポーツ界に限らず、ビジネスマンなど魅力的な大人に会いに行っているそうですね。
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「今はサッカー選手ですが、いつかは社会に出ないといけない時が絶対にきます。ありがたいことに、いろいろな方と話して学ぶ機会があるんですが、そこで得た知識は抽象化しておかないと自分のために使うことができません。具体的なビジネスの概念を学んでも、抽象化しておかないとサッカーに生かすことができないんですよ。
サッカーで言えば、ひたすらにクロスの精度を高める練習をして、それが認められて試合に出してもらえたとします。それはピッチ上で『自分にはこんな価値があるんだ』と見せることで試合に出られたということです。これは社会でも同じことが言えると思うんです。みんなが持っていない武器を身につければ認めてもらえるじゃないですか。『クロスならコイツだ』と思わせるのと同じ話で、『スポーツとビジネスの話が両方できる人といえば井筒だ』となれば、これから様々な場面で必要としてもらえるかもしれない。そういうことを考えた結果から始まっているんです」
――時代のキーワードとして「多様性」というものがあります。そういう意味で、サッカー選手にも多様な形があっていいと。
「そうですね。以前ならJリーグはJ1しかなかったわけですよ。それが今はJ2、J3がある。東大卒のJリーガーもいれば、僕みたいな考えを持っている人間もいる。中には給料も低いなかで懸命にやっている選手など様々です。もちろんファンの人が求めるサッカー選手像にも変化が起きていると思います。だからこそ、選手の側から新しい形をどんどん提示することも必要なのかなと思っています。
多様性って横並びの関係ということではないですよね。選択肢は最初からあるものではなく、一つのことをやり続けることで生まれてくるものだと思うんですよ。最初は僕もサッカーだけに集中していたんですが、ビジネスから学ぶことがいいことだと気づき、次のステップに進めたと思っています。サッカーだけに集中するのか、ビジネスからも何かを学ぼうとするかという話ではなく、一つのことを掘り下げた先にあるものを多様性と呼びたいな、ということです」