長友が先制アシストも「左サイドからの2失点は自分も悔しい」 残り2戦に「後がない」と背水の覚悟を見せる
南アフリカW杯から4年、長友が積み上げてきた努力は、アフリカの雄である「エレファンツ」にも確かに通じた。試合前、背番号「5」はこう言葉にした。
「ここでは言えないトレーニングも4年間積んできた。このW杯のために、体、メンタルをつくってきた。そのエネルギーを見せたいし、自分の体の中には本物の長友がいる。(このW杯で)本物の長友佑都を見せられると思う」
前回大会終了直後に、当時イタリアセリエAのチェゼーナへと期限付き移籍した。そのほぼ半年後、長友は同国の名門インテルへとステップアップを果たした。その過程で彼は、いつもこう叫び続けていたという。「Migliorare!(イタリア語で改善する、良くなるの意)」。長友が在籍当時のチェゼーナで指揮を執ったマッシモ・フィッカデンティ監督(現FC東京)は証言する。
「それこそ頻繁に口にしていたよ。彼があいさつの次に覚えた単語がその言葉だった。彼は『Migliorare!』と口にするだけではなく、常に自分の内側にソレを秘めていた。常に謙虚な姿勢で挑み続けたからこそ、次々と課題を乗り越えられたのだと思う」
南アフリカでは、エースキラーとしてその高い守備能力を評価された。しかし、現在の彼はピッチで守備だけでなく、攻撃にもその才を発揮している。この日の前半16分、左サイドから積極的に仕掛け、本田圭佑の得点をアシストした。それは、彼が次々と自らに課した課題を乗り越えてきたこの4年間の道程が正しかったことの証明でもあった。
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