韓国女子MFイ・ミナと“なでしこ”の友情 「すごく助かっている」と感謝する選手は?

今年1月にINAC神戸に加入したイ・ミナ【写真:金明昱】
今年1月にINAC神戸に加入したイ・ミナ【写真:金明昱】

【インタビュー Part3|INACでの新たな日々】アジアカップでの交流とINACでの交友関係

 韓国女子代表で攻撃陣の中核を担うイ・ミナ。今年4月に行われた来年のフランス女子ワールドカップ(W杯)予選を兼ねたアジアカップで、韓国は5位となり本大会出場権を獲得した。

 だが、イ・ミナにとっては不本意な結果だった。W杯出場権こそ勝ち取ったが、グループリーグ同組の日本に0-0で引き分け、最終成績でもアジアを制した日本だけでなく、2位オーストラリア、3位中国、4位タイの後塵を拝する結果となった。

 来年のW杯で雪辱を期したいとの思いはあるが、それよりも日本との直接対決で勝ちきれなかったことを悔やんでいた。

「日本戦に関してはやっぱり負けたくないという気持ちはあります。サッカーだけでなく、どの競技においても“日韓戦”はとても意識するものだと思います。負けたくないという気持ちはどの選手にもあります。アジアではやはりライバルですから」

 ちょうど、アジアカップが開催される前に、イ・ミナはINAC神戸に移籍してきた。その時の日本代表には、チームメイトがいた。

「ヨルダンに滞在していた時、同じホテルだったのですが、食事も同じ場所だったので『ご飯おいしい?』とか『お互いに頑張ろうね』と声をかけて話しました。ただ、サッカーや試合に関する話はしませんでしたよ(笑)」

 試合前の両国選手が、さすがに和気あいあいと話すことはないが、同じチームメイトに気軽に声をかけながら気遣う光景は、想像しただけでも微笑ましい。

 イ・ミナに「チームで一番仲の良い選手は誰か?」と聞くと、「(守屋)都弥(みやび)選手です」とホッとした笑顔を見せる。

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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