コートジボワール戦で途中交代の香川が実力不足を猛省も「あきらめたくない。嫌でも前を向く」

「トライしなかった」ことに対する深い後悔

 トップコンディションではなかったアフリカの誇るタレント軍団の身体能力の影におびえたのだろうか。ボールを保持できず、主導権を明け渡し、相手のエースFWデディエ・ドログバの投入を契機に致命的な2失点を喫した。

「(ドログバ投入で)雰囲気がさらに攻撃的にきましたし、先制(相手1点目)の起点にもなってたんで、そこをなかなかつぶせなかった」

 自分たちのサッカーを押し進めることに全身全霊を傾けてきたザックジャパンだが、圧倒的なフィジカルを誇るドログバに対抗する術はなかった。吉田麻也、森重真人のセンターバックら誰もが競り合うことすら難しかった。

「すべてにおいて、特に攻撃において、4年間やってきたことができなかったし、トライしなかった。悔しいですね。そこでできなかったというのをすごく感じるし、しようとしなかったというのもすごく感じる。明らかに慎重になってましたし、去年のコンフェデのブラジル戦のように失点しないように戦って、今日は先制点を取りながらも、自分たちのスペースで1回も試合を進められなかった。とても悔しい」

 開幕前は日本代表の目標をワールドカップ優勝と公言してはばからなかった香川にとっては、4年間を費やし、体現しようとした日本サッカーを4年に1度の祭典の初戦で表現できなかったことが最大の後悔だ。いや、「トライしなかった」という言葉が指す状況が一番深刻だろう。

「悔しいですし、言葉にならないですけど、あと2試合ある。あきらめたくないし、次に向けてやるだけ。こんな形で終わりたくない。それだけです。開き直れるか? これで気づくようでは遅いですけど、あと2試合あるし、チャンスはある。嫌でも前を向いて、切り替えてやっていきたい」と必死に前を向いた香川。

 19日(日本時間20日)の第2戦ギリシャ戦での連敗は1次リーグ敗退を意味する。ザックジャパンの浮沈を左右するであろう「背番号10」の奮起を期待するしかない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
詳しくは、「LEGENDS STADIUM 2014 – FIFAワールドカップ公式動画」まで

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