コートジボワール戦で途中交代の香川が実力不足を猛省も「あきらめたくない。嫌でも前を向く」
大雨降りしきるレシフェのピッチ上で味わったのは苦々しさだけだった。「やっとこの時がきた」。万感の思いで君が代を聞いた日本代表の「背番号10」は1-2でリードされた後半41分、交代を告げられた。是が非でも1点が必要な最終局面でお役御免を言い渡されたエースは、後悔の思いを口にした。
「このために調整してきましたし、これでできないのも自分の実力なのかなと、すごくね……。初戦が終わってから気づくのはすごく悔しい。でも前を向いて。スタジアムのサポーターも声援送ってくれているんで」
必死に言葉をつなぐような所作だった。前回のワールドカップ南アフリカ大会ではバックアップメンバーとして帯同し、16強入りを果たしたチームのサポート役を務めた。4年間で独強豪ドルトムントでの大活躍を経て、マンチェスターUという世界的名門に移籍。ブラジル大会で主役となるために4年間、心身を研磨し続けてきたが、自慢の突破力も決定力も見せられず。ピッチ上でその成長の跡を刻むことはできなかった。
香川だけではない。試合の入り方の悪かったコートジボワールの隙を巧みに突き、本田の一撃で先制したはずのチームも実にナイーブだった。
「なんか自分たちですごく相手の前線の選手を脅威に感じてたし、攻撃の姿勢を見せられなかったって感じている。守備もなかなか踏ん張りどころが見つかりにくかった。取った後、自分たちのミスで自滅してしまっていた」
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