湘南が体感した“世界のイニエスタ” 「独特」「凄い」と選手が明かしたポイントは?
元日本代表MF梅崎も「ポジショニングや判断は凄い」と言及
ただ、湘南は世界屈指のプレーヤーの動向に注目が集まるなか、この一戦に向けて粛々と準備に集中していた。曺貴裁監督は「我々にとっては勝ち点3を目指す大事な試合の一つ。イニエスタ選手のことに引きずられて自分たちがフワフワしてしまうのが一番良くないと思っていた」と振り返る。
湘南は果たして、立ち上がりから自分たちらしく圧力をかけ、高い位置で幾度もボールを奪い、素早く攻撃に転じた。そうして手にしたコーナーキックから試合開始10分で先制すると、後半開始早々にも追加点を挙げた。イニエスタの登場でひと際声が通りにくくなった後も集中力を切らさず、勝負を決する3点目をショートカウンターで仕留めている。
「ポジショニングや判断は凄いなと思った」
イニエスタと入れ替わるようにベンチに退いた元日本代表MF梅崎司は、外から見た印象をそう口にしつつ、「でも、それ以上にウチの守備の方が良かったんじゃないかなと思います」と仲間の戦いぶりに胸を張った。
デビュー戦では湘南の守備の前に、窮地のチームを救えなかった。それでも、周囲とのわずかな感覚のズレは時の経過が埋めていってくれるだろう。2010年の南アフリカ・ワールドカップでスペイン代表を優勝に導いた司令塔が本領を発揮する日もそう遠くはないはずだ。
(隈元大吾 / Daigo Kumamoto)
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