日本のW杯初戦は雷雨の可能性も 雨模様のコートジボワール戦でキーマンとなるのは大久保嘉人!?
昨年のコンフェデレーションズカップのイタリア戦で、ザックジャパンはレシフェの雨に濡れたピッチを経験しており、日本にとってアドバンテージになるかもしれない。
仮に雨が降った場合、試合への影響はどのようなものが考えられるか。サンプルになるのは、5-1という衝撃的なスコアでオランダがスペインを下したグループBの初戦だ。
オランダの2点目となったアリエン・ロッベンのゴールはDFラインの背後を突く動き出しから、ファーストタッチでコントロールしてスペインDFをかわして決めたものだった。
オランダvsスペインが行われたのはレシフェと同じく熱帯気候のナタル。試合中はスコールのような大雨が降っていた。このような状況下ではオランダのロッベンのように、トップスピードの中で正確なタッチができる選手がいると、決定機につながる確率が高い。足元が不安定になるため、DFは急激な方向転換をされると、ついていけなくなるからだ。
日本にも、そういったプレーを得意とするFWがいる。大久保嘉人だ。
アメリカでザンビア戦のアディショナルタイムに青山敏弘からのロングパスを受けた大久保が、ファーストタッチでDFをかわしてシュートを決めたのは記憶に新しい。また、柿谷曜一朗も同じような特徴を持っている。
ただし、気をつけなければいけないのは雨のピッチでのパス回しには思わぬミスが発生するリスクがあるということ。昨日の試合でスペインが喫した4失点目がそうだ。
GKイケル・カシージャスがバックパスをコントロールしようとしたが、ボールが大きく跳ねてしまい、ロビン・ファン・ペルシに拾われて無人のゴールに決められた。名手カシージャスの “ありえないミス”は、通常のピッチであれば起こらなかったはずだ。
日本はスペインと同じパスをしっかりとつなぐチームであり、GKがバックパスを処理する回数も比較的多い。だが、スリッピーなピッチでパスをつなごうとすれば、リスクは高くなる。「危なそうだ」と感じたら、無理をせずにロングボールを蹴るなどの状況に合った判断をしなければならないだろう。
サッカーの試合は選手の技術や戦術だけでなく、様々な要素が絡み合って勝敗を決める。注目のキックオフは14日夜10時(日本時間15日午前10時)。日本としては天気を味方につけて、初戦で勝ち点3をつかみたい。
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北健一郎●文 text by Kenichiro Kita
※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
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