イニエスタの芸術プレーを生む“身のこなし” 専門家も感嘆する「体の使い方」とは?
【フィジカル的視点で見るサッカー論】理学療法士の樋口氏が分析、イニエスタを輝かせる「姿勢の良さ」
J1ヴィッセル神戸にロシア・ワールドカップに出場し、スペイン代表から引退したばかりのMFアンドレス・イニエスタが加入した。近年のバルセロナ黄金期を支えたレジェンドの日本上陸に多くのサッカーファンが熱狂。トップデビューからの16シーズンで32個のタイトルを獲得した実績がその偉大さを物語るが、J2ファジアーノ岡山の元トレーナーで、現在はパーソナルトレーナーとして活躍している理学療法士の樋口敦氏に、体の使い方という観点からイニエスタの凄さについて語ってもらった。
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類稀なボールテクニックを誇るイニエスタだが、そのプレーのなかでも特に印象的なのが、ダブルタッチでのドリブルとアウトサイドを使ったターンだ。樋口氏は「イニエスタの特徴はピンと張った姿勢の良さだと思う」と語る。
「あの姿勢の良さは広背筋を上手く使って骨盤を引き上げることにより保たれています。腕から先を脱力させ、屈筋に力が入らないようにしている。脚で踏ん張ってプレーしていないというのも特徴的です」
上腕から体幹を縦断して骨盤に付着している唯一の筋肉である広背筋を上手く使えるかどうかは、パフォーマンスに大きく影響を与えると樋口氏は指摘する。
身長171センチと小柄なイニエスタは屈強なDFたちに囲まれながらも、その守備網をスルスルと突破していく。一見するとその洗練された両足のテクニックばかりに目がいきがちだが、その姿勢の良さ・体の使い方の上手さが、芸術的なプレーの支えになっているという。
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