マテュイディはアルゼンチン戦を目の当たりにして「脱帽した」

　その宇宙人ぶりを説明したヴァランは、若い芽が周りの期待に押しつぶされることのないようにと願った。

「何があっても、キリアンにはレ・ブルー（フランス代表の愛称）で同じ役割を続けてほしい。彼はあと数年も経てば、間違いなくもっと重要な選手になる。重荷を負いすぎることなく、彼の知っているやり方で、彼らしくいるべきだ。35歳のベテランの仕事をまだ20歳の選手に要求することはできない。キリアンのように早くに開花すると、期待が大きくなる」

　一方、MFブレーズ・マテュイディ（ユベントス）はフランス紙「ル・パリジャン」の取材で、アルゼンチンに4-3で勝利した決勝トーナメント1回戦に触れ、「我々は、チームに逸材がいることは分かっていたが、アルゼンチン戦で彼のしたことは…何か違った。僕はあの日、彼に脱帽したよ。ヨーロッパはもう彼のことを知っていたけど、あの日、キリアンの名前は全世界に知れ渡った。あと数年でバロンドールを獲得するさ」と述べた。

　マテュイディは今後もムバッペは地に足をつけて歩みを進めると信じているものの、初めて代表チームに合流した際はまだ現実を教える必要があったと振り返った。

「彼はサッカーが好きな兄弟、両親など本当に良い人たちが周りにいた。でも、彼が初めてチームに入った時、我々は全てが美しく、素晴らしいとは彼に言えなかったよ。悪者にならなければならなかった。特に最初は、きちんと伝えなければならないことがあったんだ」