韓国女子代表イ・ミナの素顔 INAC加入6カ月、「毎日、ほぼ自炊」の日本挑戦

イ・ミナは元々、中盤の選手だが、INACではFWとして右サイドを任されている【写真:井上智博】
イ・ミナは元々、中盤の選手だが、INACではFWとして右サイドを任されている【写真:井上智博】

韓国と日本で異なった練習のルーティーン

 3月のなでしこリーグ開幕戦(対日体大FIELDS横浜)でイ・ミナは先発出場(66分に交代)を果たし、2-0の勝利に貢献。その後もコンスタントに先発や途中交代などで試合に出場しているが、まだ定位置をつかむまでには至っていない。チームの戦術を理解し、フィットしていくのはそう簡単ではないことを、彼女は十分に理解していた。

「日本に来てからは、チームの練習にも生活にも慣れてきました。ただ、最初はやっぱり時間がかかりました。これまで自分がやってきた練習や環境とはまた違っていたからです」

 まずイ・ミナは、チームに溶け込むために努力していることについて語り始めた。

「なでしこリーグは週末に試合をして、休みを挟んでからまた練習が始まります。練習内容も試合形式のものがたくさんあります。ですが、韓国のリーグでは月曜日が試合なんです。それで翌日の火、水曜日に休んで、木曜日から練習というスケジュールが基本でした。練習内容も違っていて、次戦の対戦相手の分析をして、相手の短所に対して自分たちがどのように対処するのかを考えて練習していました」

 こうしたルーティーンの違いを埋めることに最初は苦労したという。

「試合の日程の違いだけでなく、練習時間も違っていました。韓国ではほとんどが午後からの練習なのですが、日本では午前に練習をします。そこに慣れるまでに時間がかかりました。今まではコンディションを調整して、練習に使う力を午後に集中させていたのですが、日本では午前から力を使う必要があるので、そこにコンディションを調整していくのが難しかったです。今ではそれにも慣れました」

金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング