ネイマールの“演技”にリトバルスキーが苦言 ドリブラーの心情理解も「あれはやりすぎ」

ネイマールの“過剰演技”にリトバルスキー氏が苦言を呈している【写真:Getty Images】
ネイマールの“過剰演技”にリトバルスキー氏が苦言を呈している【写真:Getty Images】

元西ドイツ代表の名ドリブラーも嘆く、ブラジル代表10番の現状

 1カ月にわたって熱戦が繰り広げられたロシア・ワールドカップ(W杯)は、フランスの20年ぶり2回目の優勝で幕を閉じた。数々の印象深いスーパープレーが生まれた一方、ブラジル代表FWネイマール(パリ・サンジェルマン)は意外な形で世界的な注目を集めてしまった。

 W杯を彩るスーパースターの一人としてロシア大会に臨み、華麗なプレーに期待が集まったが、チームは準々決勝でベルギーに1-2で敗れて敗退。ネイマール自身は5試合で2得点1アシストの成績よりも、主審の目を欺く“過剰演技”ばかりが注目された。ピッチで大袈裟に痛がる姿は「ネイマール・チャレンジ」として、SNS上で世界的に流行している。

 なぜ、稀代のクラッキは“過剰演技”を繰り返し、批判されるのか――。ブラジル代表エースが陥る負の連鎖を、現役時代に「世界最高のドリブラー」と呼ばれた元西ドイツ代表MFピエール・リトバルスキー氏が分析してくれた。

「ネイマールは批判されています。彼のドリブルは素晴らしい。マーカーはファウルで止めようとします。自分も現役時代に数え切れないほどDFに蹴られました。彼も自分自身を守る必要があります。しかし、あれはやりすぎです」

 現在ヴォルフスブルクのスカウト部長を務めるリトバルスキー氏は、単独取材でこう語ってくれた。現役時代は独特のダブルタッチを駆使したドリブルでマーカーを華麗に抜き去ったリトバルスキー氏も、相手からファウルを受ける対象だった。変幻自在のドリブルを駆使するネイマールもマーカーのターゲットになっていると同情していたが、ピッチ上で繰り広げる大袈裟な演技には眉をひそめていた。

「バランスというものが物事では重要です。相手のディフェンダーは彼に何度もキックする。だが、蹴られる数が多い理由には、演技をする回数の多さがある。たいして触ってもいないのに吹っ飛ぶと、相手も当然ネガティブな気持ちになります」

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