「何もないところから来た」 フランスの新星パバール、W杯優勝決定目前に流した涙
無名の存在からW杯優勝チームのレギュラーに躍進
ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝に出場したフランス代表DFベンジャマン・パバールは、20年ぶり2度目の優勝が決まる試合終了間際、涙を流していたという。ブンデスリーガ公式サイトが、フランスのテレビ番組でのパバールのコメントを伝えている。
フランスのリールでトップデビューを果たしたパバールは2016年、欧州選手権決勝で母国がポルトガルに敗れる瞬間をテレビで見ていた。2016-17シーズン開幕直後、当時ドイツ2部だったシュツットガルトへ移籍。この時は全くの無名で、クラブのサポーターでさえも「ベンジャマン……誰?」と、パッと名前が浮かばない選手だった。
ところが、シュツットガルトの1部昇格に貢献するとドイツ中にその名前が知れ渡り、初めてのブンデスリーガ1部を経験。そして今大会、代表チームでスタメン入りを果たした同選手は、フランスの史上2度目のW杯制覇に貢献し、その名を今度は世界に知らしめることとなった。
パバールが無名だったことは、“レ・ブルー”(フランス代表の愛称)のサポーターが作った彼のチャントからもよく分かる。
「きっとあなたは彼を知らないだろう。彼は何もないところから来たんだ…」
このことはパバール本人も認めており、フランスのテレビ番組の取材でこう語っていた。
「2年前、僕は友人と一緒にリールのファンエリアにいたんだ。1年前はドイツの2部でプレーしていた。チャントの歌詞でも言ってる通り、僕は何もないところから来たんだ。まだ僕たちの成し遂げたことを完全には受け止められていない。素晴らしいことだよ。試合終了の2、3分前、目から涙がこぼれた」
今大会は全7試合中6試合に出場して1得点。無名だった22歳は優勝を果たしたロシアの地で、世界に知られる存在となった。
(FOOTBALL ZONE編集部)