トーレスが鳥栖に与えるチーム強化以外の“効果” 「サッカーは情熱」に込めた育成への熱意
アトレチコで育てられた“神の子” 鳥栖の下部組織でも「指導できればいい」
こんなにも「育成」が強調された、大物外国籍選手の会見はあっただろうか――。15日、J1サガン鳥栖に加入した元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスの新加入記者会見が行われた。日本サッカーの印象や日本文化、スペイン代表MFアンドレス・イニエスタとの友情など、様々な質問に対応したトーレスだったが、その口調が熱を帯びたのは“子どもたちへの還元”だった。
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「僕は世界中の重要なチームで試合をする経験がありました。小さい頃からいろいろなチームでプレーしていて、いろんな監督から指導を受けた結果、選手として成長できました。私が経験できたように、学びたい子どもたちがいれば、僕が指導できればいいなと、それがサッカーで学んだことの恩返しになります」
トーレスは会見序盤、自らのキャリアについてこう話した。“エル・ニーニョ”(神の子)の異名を取ったトーレスは、アトレチコ・マドリードの下部組織で丹念に育て上げられ、アトレチコのトップチーム昇格、そしてイングランドの名門リバプール、チェルシーへと上り詰めていった。“育成成功”の好例と呼べる存在だけに、鳥栖というクラブ全体でも彼のノウハウを吸収したいと考えているようだ。
この日トーレスとともに登壇した竹原稔社長は「U-18チームが2年前にアトレチコのもとに行かせてもらった際、トーレス選手と写真を撮った様子をプレゼンに使わせてもらいました」と笑顔でエピソードを明かしつつ、クラブ全体での方向性をこう話している。
「地方のチームとしてJ1で戦う難しさを財源、人材的にも感じています。トーレス選手は人間的にも素晴らしくて、多種多様な期待をしたいと思います。そのなかでトーレスを目指す選手が出ること。具体的にはセンターバックとセンターフォワードを育てることが課題で、アカデミーとしては早急に力を入れたいという中期プランとしてあります。センターフォワードについては、トーレス選手をぜひ見習って育てていきたいです」