オランダの英雄ファン・バステンがネイマールに警告 「置かれている状況を理解すべき」
FIFA技術開発部門責任者としてダイビングや負傷偽装を指摘「良い振る舞いではない」
ブラジル代表FWネイマールはロシア・ワールドカップ(W杯)で母国を優勝に導けず、国民からの批判にさらされている。ファウルを受けた際の“過剰演技”は、同胞のレジェンドである怪物FWロナウド氏やDFカフー氏さえも厳しい目を向けているが、現役時代に「世界最高のストライカー」としてACミランやオランダ代表でその名を轟かせ、現在はFIFA技術開発部門のチームオフィサーを務めるマルコ・ファン・バステン氏も、「自分の置かれている状況を理解すべきだ」と警告した。
優勝候補筆頭と期待されながら、準々決勝でベルギーに敗れてベスト8で姿を消したブラジル。ネイマールは敗退の戦犯として批判の矢面に立たされ、5試合で計14分間もファウルを受けて大げさに痛がる過剰演技をしていたと世界中に話題を振りまいてしまった。
AP通信によれば、ファン・バステン氏は12日にモスクワ市内で行われた国際サッカー連盟(FIFA)のテクニカルスタディグループ(TSG)による記者会見で、ダイビングや負傷偽装に対して「良い振る舞いではない」と警鐘を鳴らした。
「ネイマールは人々を笑顔にできる。それはポジティブなことだ。いつだって試合にほんの少しのユーモアがあるのは素晴らしい。だが、もし過剰な演技をしていれば、それが彼の助けにはならないと誰もが理解するだろう。私は、彼は自分の置かれている状況を理解すべきだと思う」
黄金時代のミランで147試合90得点と活躍し、ルート・フリット、フランク・ライカールトとともに強力ユニット「オランダトリオ」を形成した伝説のストライカーは、現役引退後は指導者の道に進み、オランダ代表やアヤックスなどを指揮してきた。選手、監督としてW杯などの大舞台を経験してきただけに、才能溢れる王国の至宝ネイマールがそのような行為を続けることに、一種の危機感を覚えているようだった。
(FOOTBALL ZONE=AP)