なでしこ初戦で負傷の安藤がリオへ意気込み 「けがをする前より強くなる」

太平洋を挟んでつながった安藤と仲間の絆

 なでしこジャパンMF安藤梢(フランクフルト)が全治3カ月と診断された左足腓骨(ひこつ)外果骨折のリハビリを乗り越え、来年8月のリオデジャネイロ五輪を目指すことを固く誓った。
 女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会準優勝に終わったなでしこジャパンで、安藤は1次リーグ初戦のスイス戦で相手GKと激突し、PKを勝ち取る代償に左足を骨折。一度チームを離れ、日本国内で手術を受けた。安藤が順調に回復するとともに、チームは決勝までの全6試合を全て1点差で勝ち抜いた。
「個人的にはけがでピッチに立てない悔しい思いは強い。それ以上にもう一度、決勝に連れてくれた最高の仲間の一員として戦えたことを本当に誇りに思います。このW杯に懸けてきた。けがで離脱するのは、自分の中で想像もしていなかったし、すごい悔しかった。そういうときに仲間が、元気づけてくれた。いつも声を掛けてくれました。帰るまでの間、みんなが気を使ってくれて自分が前を向けるようにしてくれたし、手術のときも動画でメッセージをくれますた。いつも一緒に戦っている気持ちでいられて、自分も前を向けた。うれしかった」
 広大な太平洋を隔てもなでしこの絆は固かった。安藤の手術前にはチームが動画でメッセージを送った。そして、安藤は試合前のロッカールームにビデオ電話で激励した。決勝戦の地バンクーバーまで、なでしこが進めば、安藤はチームに再合流できるまで回復した。「私をバンクーバーに連れて行って!」安藤の願いを全員でかなえた。
 
「自分が出るよりも試合前にドキドキしました。みんなが、負ける気がしないというコメントをしていました。テレビ通話で表情が頼もしかったし、絶対やってくれると思っていました。試合を重ねるごとに、なでしこらしいサッカーをしていました。4年前も決勝トーナメントに入るとチームがどんどん成長して、ゾーンに入っていくような気がしました」
 安藤は決勝のベンチに入った。安藤が離脱中、代わりにベンチに座っていた背番号「7」の白クマのぬいぐるみとともに。そして、開始直後から猛攻にさらされる同僚を励ました。大量失点により前半で交代となった岩清水がベンチで号泣する中、励ました。試合終了のホイッスルを聞いた時には主将の宮間あやから「最後に勝てなくてごめんね」と謝られた。大会2連覇のハッピーエンドとはならなかったが、それでも準優勝は偉業だ。

 

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